今日は何の日?
今日はホテルの日。
1890年(明治23年)のこの日、東京と初のホテルとなる「帝国ホテル」が開業しました。
これにちなんで。
帝国ホテル・・ニューオータニ・ホテルオークラの3棟は東京ホテル御三家と呼ばれているらしいです。
ということで今回はこちら。
ミナトホテルの裏庭には(ポプラ文庫)
寺地はるな
祖父から「ミナトホテル」の裏庭の鍵探しを頼まれた芯輔(しんのすけ)。金一封のお礼につられて赴いたそこは、「わけあり」客を泊める一風変わった宿泊施設だった…。
読み始めは、特に何が起こるでもなく淡々と進むな~とちょっと物足りなく思っていたのですが、途中からやっぱりこれは優しいお話なんだな、さすが寺地さんだなと思い直しました!(祖父がくれたチョコレートが役に立ったところらへんから!)
芯くんはとてもしっかりした子で、自分に正直な人だなという印象。
“冷淡”だと言われる芯くんが、ミナトホテルを離れることを考えた時にさみしさに気付くところが好きでした。
そして「ミナトホテル」に長期滞在中のシングルマザー、桐子さんの一件でいろいろあるのですが、その後の桐子さんと芯くんとの会話に泣けてしまいました。
祖父もかっこいいんだよなぁ。
最後に「咲くのは花だけではない」という章のタイトルの意味がわかり、心があったかくなりました。
また語り手が変わったもう2つのお話もとても胸に刺さりました。
特に、「自分自身をないがしろにしている人が、誰かを大切にできるわけがない」という文章にはうぅっと胸を突かれたような感覚にさせられました。
互助会ができた過程もとても素敵でした。
優しくてあたたかい物語です。