今回は、読み始めたら止まらない、サクサク展開するスピード感のあるミステリーをご紹介します。
ホワイトラビット
伊坂幸太郎 新潮文庫
この本はあらすじを書くことが非常に難しい…。なので「白兎事件」が起こるとだけ書いておきます。
場面がいろいろ切り替わるので読みにくい感じは否めませんが、それでも最後にはすべてつながっていきます。
このテンポと驚きとスリルがたまりません。
登場人物の個性も豊か。まさに伊坂ワールド全開な感じです!
伏線回収の話が好きな方には特におすすめです。
スマイルメイカー
横関大 講談社文庫
家出少年、ハメられた「犯罪者」、バツイチ女性弁護士が街中でタクシーに乗り込む。ここからすべてが始まる。やがて、少年がタクシーとともに消えてしまい…
細かく区切られているのでとても読みやすく、さくさく進みます。
こちらも時間軸が‟今”なのか‟1か月前”なのか、時々頭がこんがらがりましたが、徐々にすべてがつながってピースが1つ1つはまっていく感覚が実に爽快!
最後の最後にまた心地よい驚きが待っています!
もう一度読み直したくなる作品です。
タクシーって個人の仕事だけど、でも仲間がいて、いざという時には協力して助けてくれる。彼らドライバーたちの人柄の良さ、魅力がつまってました。
タクシーに対するイメージが変わるかもしれません。
バック・ステージ
芦沢央 角川文庫
パワハラ上司の不正の証拠を探す先輩社員康子、成り行きでそれを手伝うはめになった新入社員松尾。さまざまなやりとりや事件を経てたどり着く痛快な結末とは?
芦沢さんといえば、イヤミス代表みたいな勝手なイメージを持っていた私ですが、これは違いました!
章によって語り手が変わるのだが、あっ、この人があの時の人だったんだ!と段々とつながり、最後はスカッとするような結末に仕上がっています。
感動できる章があったり、ミステリーチックな章があったり最後にほんの少しのキュンがあったりと盛りだくさん。
とても満足感のある1冊でした。
今回は読み始めたら一気読み必至、読後感もすっきりな小説を紹介しました。
今後もいろいろな切り口で文庫本を紹介していきます。