今日は何の日?
今日は美容室の日。
美容師の正宗卓さんが2003年(平成15年)に制定。
日付は、12月は美容室にお客様がたくさん訪れる月ということと、「13」をくっつけると「Beauty」の頭文字「B」になることからだそう。
ということで今回はこちら。
塀の中の美容室(双葉文庫)
桜井美奈
刑務所の中で営業する美容室を舞台に、いろいろな理由でここに髪を切りに来る人たちを描いていく連作短編集。
ブラックな番組制作会社で働く女性が取材のために。
嫁との折り合いが悪く、同居を解消し一人で暮らしているおばあさんは、話相手欲しさに(⁈)。
中学生の女の子は興味本位で。
訪れる理由や境遇はさまざま。
でもみんな、ここで髪を切ったことで心の中に変化が起きる。
吹っ切れたり、自分の本当の気持ちに気付いたり。
そして読んでいくほど気になるのは、その美容室で美容師として働く小松原葉留という女性。もちろん受刑者。
彼女の事情も明らかになりますが、犯罪者の家族の苦悩はとてもきれいごとでは片づけられない難しさがあるなと改めて感じました。
そして刑務所の中の美容室がいかに特殊な場所であるかということも。
美容室に常駐する刑務官の菅生さんや所長さん、たびたび登場して和ませてくれるおばあさん。
そして姉の恋人・翔太などもこのお話の中では頼もしい存在でした。
翔太の気持ちと覚悟にはついついウルっときちゃいました。
最後は安心して読み終えることができるいいお話たちでした。
刑務所の中の美容室、実際にあるんですよね。
今作は岐阜県にある笠松刑務所を取材して書かれたようでした。