今日は何の日?
今日は洋服記念日。
全日本洋服協同組合連合会が1972年(昭和47年)に制定。
1872年(明治5年)のこの日、「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」という太政官布告が出され、それまでの公家風・武家風の和服礼装が廃止されました。
ということで今回はこちら。
クローゼット(新潮文庫)
千早茜
舞台は18世紀のコルセットやレース、ドレスやコートなど、約1万点が眠る服飾美術館。ここで洋服補修士として働く纏子(まきこ)は男性恐怖症。一方、デパートのカフェ店員である芳(かおる)は男性だけど女性服が好きということで傷ついた過去を持つ。
そんな2人は記憶の中で細い糸で繋がっていて…
といったストーリー。
纏子も芳も少し特殊な人物像。
纏子が負ってしまった心の傷はとても深くヒヤヒヤする場面を生みますが、そこで現れるのが唯一心を許している友達の晶(あきら)。←女性です
晶がまたとてもかっこいい。
晶がいないとちょっと心配な纏子ですが、補修士という仕事、そして職場が纏子にとってとても神聖な場所であることがわかります。
そこに出入りするようになる芳ですが、彼と纏子の距離の縮め方が気遣いに溢れていてよかったです。
纏子の心の変化をすごく感じるお話でした。晶に守ってもらってばかりではなく、もっと強くならなくちゃという彼女の強い決意を感じました。
大きな壁を乗り越えようとしている纏子が、これからもっともっと輝いていく姿が想像でき、最後はグッときました。
もろく、静かな物語だけれどそんな中にも力強さを感じる。
傷みを持ちつつ進んでいく姿に励まされる。
そんな素敵な物語でした。
生きにくさを感じている人に読んでみてほしい。
私もまた読み直そう。
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