今日は何の日?
今日はアラスカデー。
1867年(慶応3年)3月30日に、アメリカはアラスカをロシアからに720万ドルで購入。その約半年後の10月18日に、領土移譲式が正式に執り行われました。
これにちなんで。
ということで今回はこちら。
旅をする木(文春文庫)
星野道夫
アラスカに魅せられた著者。アラスカにやって来て、気付けば十数年の年月が流れていた。
その中の数年を書いた33篇。
少し読み進めただけでアラスカの情景が色鮮やかに浮かんできました。
季節の移ろいが速いのですね。貴重な一瞬を逃さないように、そして貴重だからこそ美しさが余計に沁みるのでしょう。
しんと静まり返っている様子、そんな“音”が感じられました。音のない音とでも言うのでしょうか。
彼の人生を読み解いていくわけですが、彼の行動力には本当に脱帽です。
自分のいる狭い世界から飛び出すこと、広い世界があることを知ることは、人生観を変えるのだなと思いました。
もしクマがいなかったら、それは何とつまらぬ自然なのだろうと一文がありましたが、実は星野氏は、後年クマに襲われて亡くなっているのです。
それでも彼の人生は濃密で豊かなものであったと感じられました。
雄大で美しく、魅了される大自然。あたたかで魅力的な人たちとの出会い。
自分ではそうそう行くことのできないアラスカという果てしなく遠い場所、そこの息吹を感じることのできる貴重な作品でした。
不思議な余韻に包まれる感覚。誰しも旅の途上なんだな。。
また読み返したい1冊です。
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