今日は何の日?
今日は洋菓子の日。
三重県に事務所を置き、業界の発展と交流、業界の若手技術者の育成などを目的に活動する三重県洋菓子協会が2002年(平成14年)に制定。
フランスではサン・ミシェル(大天使ミカエル)が菓子職人の守護聖人となっているそうで、その祝日が9月29日。このことにちなんで。
ということで今回はこちら。
西洋菓子店プティ・フール(文春文庫)
千早茜
フランスで修業後、有名店で働いていたパティシエールの亜樹。現在は祖父が営む下町の「西洋菓子店プティ・フール」で働いている。彼女を取り巻く人々や店の常連客らが抱える事情、変化を描く連作短編集。
主人公である亜樹、彼女は好感度の高い主人公ではないのかもしれない。
自分の目の前にあることにまっすぐで一生懸命なのだけれども、それゆえ鈍感で自分の気持ちを伝えるのが下手くそ。不器用なんですね。
お菓子作りに関しては的確で優雅で腕のいい職人なのに。
彼女のことを「難儀な子だね」と表現するところがあるのですが、これがとてもしっくりくる気がします。
そしてそんな彼女を慕う後輩澄孝くんの思いも切なく、さらに澄孝くんを思うミナの思いも切ない。
抜群の存在感を発揮しているのが亜樹のじいちゃんなのですが、年を重ねているだけあって言葉の説得力が違いますね!
菓子の魅力は背徳感。食べるのがもったいないと思わせてこそ。
菓子作りは一瞬の夢を見せる仕事。
なるほど!素敵なお仕事です。
出てくるお菓子はもちろんおいしそうで、口の中が甘いものを欲します(笑)
ただ、お話は甘すぎず時に甘酸っぱくほろ苦い。
人と人との関りをお菓子とともに丁寧に描いた作品です📙
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