今回は、自分の知らない仕事が垣間見れて、なおかつ元気がもらえるお仕事小説をご紹介します。
本日はお日柄もよく
原田マハ 徳間文庫
職業:スピーチライター
OLの主人公こと葉は、幼馴染の結婚式で感動的な、そして衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター、久遠久美だった。すぐさま彼女に弟子入りし、政治におけるスピーチを担当することになる。
これは本当に感動しました。言葉の持つ力をひしひしと感じるすばらしい小説です!!
いくつもスピーチが出てきますが、どれもすばらしい。結婚式での友人へのスピーチも泣けるし、政治の演説のスピーチ、過去の弔辞なども心に残っています。
政治に対して、特段興味のない私でも夢中になって読んだ作品です。
泣かされるので、電車やバスでは読まないほうがいいかもしれません。
羊と鋼の森
宮下奈都 文春文庫
職業:ピアノ調律師
高校生の時、ピアノ調律師と出会い調律に魅せられた外村は専門学校を卒業後、調律師として働き始める。個性豊かな先輩や顧客である双子の姉妹と出会い、成長していく姿を描く。
とても静かで美しく、流れるようにさらっと読める小説です。
調律師というなじみのない職種ですが、するすると物語が自分の中に入ってくる感覚がありました。
ピアノを習っている、習ったことのある人だとさらに世界に浸れるかもしれませんね。
これを読んだ後は、ピアノをしっかりと聞いてみたいという気持ちになりました。
あしたの君へ
柚月裕子 文春文庫
職業:家裁調査官
家裁調査官補として研修に勤しむ望月大地。さまざまな相談者たちを相手に悩ましい日々を送る。果たして彼は一人前になれるのか?
自分の足で調査をし、相手を注意深く見て真意を汲み取る。前向きにがんばる主人公に好感をもちました!
特に印象的だったのが第3話、親権を求めて戦っている大地の同級生の話「縋る者」。少し切ないお話でしたが…
仲間との距離感も絶妙でいい感じでした。職場では、同期、同僚などの横のつながりって大事ですよね。
きっと彼は立派な家裁調査官になってくれるだろうなと思います。
以上、自分の仕事に対してまっすぐ、前向きになれるであろうお仕事小説を紹介しました。
今後もいろいろな切り口で文庫本を紹介していきます。